海底要塞研究所

第五段 レーザーブレード


 シャイダーはレーザーブレードにエネルギーを通わせる。バリバリはナタを出し対抗する。シャイダーの飛び込み切りがヒット、バリバリは上方の雲海の上
に逃れる。シャイダーはそれを追い、雲海を抜けるが、空中で逆さ状態で待ち受けていたバリバリの横切りを食らう。バリバリはナタを投げ追撃、さらに逆
さ状態のまま、空中から切り込む。シャイダーはジャンプして迎え撃つ、空中で頭が下になるように反転してバリバリと上下を合わせてからの切り込みがヒ
ット、続けてのシャイダーブルーフラッシュで決着。(この後、フーマ戦艦はバビロス号のビッグマグナムによって撃沈されている)


解説
 この段は、レーザーブレードの特異性が発揮されている。第四段の部分で、やや有利に戦いを進めていたバリバリがシャイダーに圧倒されている。
レーザーブレードが発光すれば破壊力が増す事は簡単に想像がつく。では、その破壊力を察知した故のバリバリの萎縮なのか? 見た目の畏怖からの
ひるみなのか? それらも十分に考えられるが、私はバリバリの間合いの読み違えが最大の原因だと考える。そう、レーザーブレードは攻撃間合いが変
化するのである。
 シャイダーブルーフラッシュがレーザーエネルギーの線状放射による切断であるならば、レーザーブレード発光時にその片鱗が伺えても不思議ではない。
ブルーフラッシュ直前のシャイダーの逆さ飛び込み切りは直にヒットしていないにも関わらず、バリバリにダメージを与えている。また、レーザーブレード発光
直後の最初の飛び込み切りも、バリバリが長いナタを振ろうとしているのに先にヒットしている。つまり、レーザーブレード発光時はブルーフラッシュには及ば
すともレーザーエネルギーの放射があるのである。その為、無発光状態のレーザーブレードの間合いを計り戦っていたバリバリが、発光後の伸びた間合
いを掴み損ねてシャイダーの攻撃を受ける事となったのである。


補足‐バリバリの逆さ攻撃とシャイダーの対処

 一言で言えば、バリバリの逆さ攻撃は「奇襲」である。雲海の向こうで待ち構えていた攻撃も見事であったが、ここでは上空から飛来する逆さ攻撃
について論じてみたい。
 通常、対決する双方の体の上下の向きが同じなら、高位置の方が有利である。打撃や切り込みに位置エネルギーがプラスされるし、上からは手足
の攻撃ができるが、下からは足での攻撃はやりにくい。
 もっとも、戦闘においては飛び道具の存在を忘れてはならない訳であるが、さきにバリバリはビデオビームガンを避けまくる事でシャイダーにブレーキをか
けている。この辺のバリバリの戦闘の組み立ては褒めておくべきだろう。
 バリバリは逆さ状態になることで本来持つ高位置の優位性「攻撃手段の数の差」を捨てているが、逆さ状態をシャイダーに見せ、困惑させ、一瞬のた
めらいを誘うと共に上空からの位置エネルギーを利しての一撃を放とうとしたのだろう。
 これに対するシャイダーの対処も見事であった。バリバリに対しジャンプし、バリバリより低く飛び空中で上下反転する事でシャイダーが相対的に上に
なる。シャイダーは位置エネルギーを味方にしている訳では無いが、バリバリに「攻撃手段の数の差」を見せる事により逆に困惑させ、位置エネルギーと
は無縁のレーザーエネルギーと伸びた間合いで補っている。

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