海底要塞研究所

第四段 ブロッサムの精神戦


 ブロッサムとプリンセスは対峙する。挑発するプリンセスに対して、黙して睨みを利かせるブロッサム。プリンセスはレーザービームを打つがブロッサムに首
の動きだけでかわされる。「いぃやぁぁー!」気合と共に駆け込むプリンセスを体さばきと同時の足払いですべり台に激突させるブロッサム。プリンセスはパ
ンチの連撃、それをはらうブロッサム。そして閃光の中で壮絶な打撃戦が展開する。


解説
 プリンセスは狙った訳ではないが、ガールズに攻撃させ、その攻撃をあしらう事で力を見せつけてガールズを見返すのが目的だった。

しかし、ブロッサムにレーザービームを頭部の動きだけでかわされる事で逆に自分があしらわれていると認識し、逆上した。
ブロッサムは、突っ込んでくるプリンセスを体捌きでかわしながら、足を掛けバランスを崩し滑り台に激突させる。これでプリンセスをさらに逆上させる事に
成功する。この瞬間、当初のプリンセスの良き流れの戦闘パターンは崩壊し、怒りまかせの攻撃になった。切り崩しの成功である。

 ここからがブロッサムの凄いところである。逆上したプリンセスの攻撃をまず「受け」に徹したのである。考えうる狙いは3つ。

その1:戦闘経験の差による、コンビネーションの「出し切り」
 いくら逆上した状態と言えど、仮にもガールズいちの武闘派と呼ばれるバターカップからダウンを奪った相手である。正面から打ち合えばバターカップの
二の舞になる。しかし、パワースーツの強力な攻撃力を引き出すのは、生身の人間である。それも、戦闘訓練・戦闘経験が皆無のプリンセスなので
ある。「受け」に徹する事により相手を観察し、数少ない攻撃パターンを早期に完全掌握してしまうのである。

その2:戦闘引き伸ばしによる仲間の回復
 最初に受け手にまわる事により、ブロッサムが打ち負ける可能性が減少する。と同時に、おのずと戦闘時間が長引く。時間が稼げればバターカップと
バブルスが回復し、戦列復帰が望めるのである。

その3:強化服の加熱
 激しい戦闘をより長い時間続けさせる事により、パワースーツを高温状態にさせるのである。

補足
 攻撃をいなす事によって、プリンセスの逆上状態を保つ効果もあるが、上記3つの狙いの方が重要度は高いので、付随効果としてこれもあるという程
度の認識でよいと思う。こと打撃戦において受けに徹する事は、敵の手数を減らせないので本来不利だが、もとより手数の少ないプリンセスとの戦いだ
からこそできるのであり、ガールズのスーパーヒーローとしての防御力、耐久力があってこそ成り立つ戦法である。

「プリンセスが来た日」の胆(きも)
 ブロッサムがプリンセスのレーザービームを頭部の動きだけでかわしたのは余裕があったからではない。ガールズの能力は個性の差こそあれ、総合的に
は横並びである。バターカップ、バブルスと、ダウンを奪われる中、一か八かのギリギリの賭けに勝ったのである。

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