まとめ
このパワーパフガールズ「プリンセスが来た日」はバトルエンタテイメントとしては近年、稀に見る傑作である。
まず、やっている事が理に叶っている。これはブロッサムのプリンセスのパワースーツのジョイント部への三段攻撃を見て確信した。三つも続けば、もはや
偶然とは言い難く、ちゃんと考えて作っていると、どうしても思えるのである。
戦法の切り替えと精神的駆け引きが多角的でありながら、それが自然な流れの中で提供され盛り込み方に無理が無く、また、カッコよく面白い。
ストーリー全体的に見ても、ガールズのトゥイッギー救助と爆弾処理の二回の協力行動がラストの布石になっている。ガールズが協力するとなにか
やってくれるという期待感が生まれる。しかも先の二回の協力行動が無理やり入れたような安っぽいものではなく、一つ一つが充実している。だからこそ、
ラストの協力行動が映えるのである。
精神的駆け引きを象徴する事例をバターカップとプリンセスが行動を同じくする事で表している。プリンセスが「いぃやぁぁー!」気合と共に駆け込むとい
う行動はバターカップが不用意に突っ込でいく様の再現であり、なんとも皮肉であり、イニシアチブの移動を視聴者に提示している。
カッコよさとキャラクターの風貌からくる印象が必ずしも一致しない事も再確認できます。
2003年9月 流 杜雄
前項 目次